3.面接編

全てのケース面接の対策ができる!フレームワークと対人心理学の理論

仁井 貴志

「ケース面接」って、めっちゃ答えづらいこと聞かれて困ります…。焦って頭が真っ白になるし、質問された時は、どう考えるのが良いんだろう?

こんなお悩みを解決する記事を作りました。
ケース面接の対策は、考え方のコツが分かれば簡単です。

記事の内容

・ケース面接とは何なのか
・ケース面接の対策(ロジカルシンキング)
・周囲と差をつけるための裏技(ラテラルシンキング)

記事の信頼性

様々なコンサルタントの転職サポートを経験しています。

・職位はリサーチャー〜ジュニアパートナーまで
・分類は業務(IT)コン、人事コン、経営コンまで
・未経験からコンサルへの転職支援も経験アリ
・コンサルタントの担当業界は…多分ほとんど網羅です。

読者さんへの前書きメッセージ

ケース面接が不慣れな方を想定して書きました。
これまでの転職サポートで「ケース面接で抜群の回答をした方」の傾向を元に記事を作っていますので、ご参考下さい。

この記事を読み終えると、ケース質問でも焦らず、精度の高い回答が出来るようになります。

それでは、さっそく見ていきましょう。

ケース面接とは何なのか

  • 特定の問題に対して
  • 数値を概算しつつ
  • 具体的な施策を考えて提案する

こんな論理性とコミュニケーション能力をはかる面接を、「ケース面接」といいます。

ケース面接は、フェルミ推定の応用版です。
2つの違いは、例題を見ると分かりやすいです。

フェルミ推定の例題

「日本に電柱は何本あると思いますか?」
「今、世界で何人くらいスマホ見ていると思いますか?」

フェルミ推定は「調べがつかない内容に対して、最低限の知識から論理的に概算する能力」をはかる質問ですね。

ケース面接の例題

竹下通りのクレープ店の売り上げを3年で2倍にするには?
札幌ドームでの野球観戦者が減っているが、どうすれば売上回復出来る?

ケース面接は推定に加えて、ビジネスシーンに根ざした”提案”まで求められます。

コンサル職でケース面接が多い理由

コンサルタントに求められる最重要能力が「対応能力」だからです。

多くのコンサルファームでは、新規契約はマネージャー以上がコネクションで獲得します。

よって、メンバークラスのコンサルタントでは具体的に下記の対応能力が求められます。

  • 顧客が置かれている状況や
  • 担当者の性格や理解度に合わせて
  • 何を聞かれても妥当な回答ができる

ケース面接は、対応能力の適性を確かめるための妥当な方法と考えられています。

ケース面接を攻略する重要性

企業視点で「育成コストがかかる」と思わせないためです。

かけても良い育成コスト:
・特定の業界に対する知識
・調査や提案の練度
かけたくない育成コスト:
・相手を不安、不快にさせる対人能力の矯正
・ひらめきや創造性が皆無で、本質の見極め方を教える

知識は入社後に覚えさせれば良いです。
しかし、思考力や人格は鍛えようがない場合があります。

ケース面接を攻略すれば、育成コストが低い優秀な人材だと思われます。

素養がなければ願い叶わずですが、「素地はあったのに対策不十分でNG」となるのは勿体ないですよね。

「地頭が良い」だけの理解ではNG

単に「地頭の良さが重要」という言葉で片付けて理解していると、コンサル面接ではNGになります。

法人対応における「感じの良さも必要だ」という視点が抜けているためです。

ケース面接をする会社はもれなく「クライアントワーク」です。

面接官がイラッとする答え方になると、結局クライアントをイラッとさせます。

  1. 知識豊富で計算能力は高いけど、鼻につく新人
  2. 知識に乏しく計算スピードは遅いけど、本質を理解しようとする素直な新人

コンサルやセールス、販売、サービス系の職種では、後者の方が面接評価が高いです。

転職希望者を見ていて思うことですが、後者の方が出世も早いです。
仁井 貴志
仁井 貴志

本記事ではケース面接の理論、考え方を中心に解説します。しかし、「そもそも話し方が重要だ」と忘れずにいきましょう。

実は、ケース面接の対策は「答え」を知らなくても出来る。


ケース面接の対策では、「回答の導き方」を押さえましょう。

下記がポイントになります。

  • ケース面接では「唯一解」がない
  • 「論理の組み立て」を知れば、答えに辿り着く
  • 論理だけではNG。話し方が重要

それぞれ解説していきますね。

①:ケース面接では「唯一解」がない

ケース問題は、事前に問題を知ることが難しいです。

転職理由や志望動機のように、「何を話すか」まで事前に決めておけないため、怖さがありますね。

復習になりますが、ケース面接では下記の素地を見られています。

特定の問題に対して、持ち得る知識を使って概算しながら、妥当な施策を講じて”論理的かつ愛想良く”意見する能力

出題内容は予測できませんが、企業の気持ちを心得ておくだけで、落ち着いて対処できるようになります。

②:「論理の組み立て」を知れば、必ず答えに辿り着く

実は、何を聞かれるか分からなくても、共通して対処できる答え方があります。

ケース面接用の、論理の組み立て方を押さえましょう。

  1. ケース(お題)を聞く
  2. どの前提知識を使えば良いか判断
  3. 大枠からケースに当て嵌めるように数字を縮尺(概算)
  4. ケースを解消する案を考える

あなたが持っている使えそうな前提知識を選んで、ケースに当て嵌めましょう。

そして、”たとえば…”レベルでOKなので、解決策を考えて、朗らかに話すのです。

そもそも「唯一解」がないケース面接です。
何かしら論理を組み立てて、落ち着いてお話しできればOK!としてくれる企業もいます。

提案が秀逸であれば尚良しですが、論理を組み立てること自体が重要です。

応用の利く「前提知識」

前提知識がないものは、仕方ありません。
知っていることから類推する他ありませんからね。

ただ、ここまで辿り着いた方限定で、ケース面接で応用の利く前提知識をいくつか紹介します。

  1. 総人口:1億2710万人
  2. 人口(東京都):1380万人
  3. 労働人口:5990万人
  4. 企業の数:386万社
  5. 平均年収:436万円
  6. 平均年収(男性のみ):540万円
  7. 平均年収(女性のみ):296万円
  8. 平均年収(正規雇用者):503万円
  9. 平均年収(非正規雇用者):175万円
  10. 世帯数:5900万世帯
  11. 1世帯の平均構成人数:2.15人

数値は毎年変わりますが、上記は令和元年〜2年の最新データです。
”日本の今がこれだ”とざっくり覚えておいてください。

どんなケース面接でも「あの数値がこうだったから…」と考える起点になるかもですね。

統計情報を見たい時(参考リンク)

・総務省
http://www.stat.go.jp/
・厚労省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/index.html
・国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/tokei.htm

手軽にケース面接の例題を把握したい場合は、こちらの書籍がオススメです。

③:ケース面接はプレゼン。論理だけではNG【メラビアンの法則】

ケース面接の対策は分かったけど、本番で冷静に対処できるかな。そんなにポンポンと良い解決策が出せないかもなんだけど、何か良い対処法はないかな…?

そんなあなたに吉報。
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。

メラビアンの法則

ケース面接はプレゼンでもあります。
話の内容と合わせて、ボディランゲージや話し方も工夫すると良いですよ。

面接官の無意識に、好意的な作用をもたらします。

心理学的な余談【専門用語】

  • 話の内容:バーバル・コミュニケーション
  • 手振りや表情など:ノンバーバル・コミュニケーション

バーバルは直訳で「言語的な」です。

あなたの身近な「話が上手くて好印象な方」を思い浮かべてみてください。

ノンバーバル・コミュニケーションを取り入れているはずです。

ちなみに、効果的にメラビアンの法則を活用したい場合は、この書籍がオススメです。

筆者は大学で対人心理学を専攻しており、この理論に出会った瞬間から身振り手振りを意識するようになりました。

面接で格の違いを見せつける裏技【ラテラルシンキング】


ケース面接では、出されたお題を論理的に解決します。
これは「ロジカルシンキング」と呼ばれます。

一方で、「ラテラルシンキング」という方法があります。

直訳で「水平思考」とも呼ばれます。

ラテラルシンキングとは

ロジカルに順序立てて考えている最中に、その前提を疑います。

そして、全く別の解決策を講じていくやり方がラテラルシンキングです。

図で説明した方が分かりやすいかもですね。(細かい内容は拡大してご覧ください)
ラテラルシンキング

お題は「売上を2倍にせよ」なので、通常はロジカルシンキングで合格です。

しかし、論理を組み立てる中で「無茶難題じゃないか?」思ったら、ラテラルシンキングをぶっ込んでみるのもアリです。

ペーパーテストなら0点ですが、ビジネスシーンを想定したケース面接なら、120点になる可能性があります。

基本は「聞かれた質問に答える」なので、わざと風変わりな回答を狙ったらダメですよ。
  1. ロジカルシンキングで”王道の”回答
  2. ラテラルシンキングで”面白い”回答

2つをセットで答えられたら、面接の中ではかなり評価高いかと思います。

これで、ケース面接は勝ったも同然ですね。

参考情報

転職に関する記事は、ロードマップとしてまとめています。

応募や書類、面接など転職活動のステップごとにカテゴリーを分けています。

転職活動の完全ロードマップを「現役転職エージェント」が解説する

転職活動のお困りごとを全て解決する「転職活動ロードマップ」を作りました。現役の転職エージェントの知見をフル活用して、全ての記事を無料公開しています。転職の情報収集や対策にお役立てください。

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ひとりの転職エージェントの見解ですが、何かのお役に立てば嬉しいです!

読者さんが後悔のない社会生活を送れますよう、祈っております。

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Nii Takashi
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転職エージェント|マーケター
人材派遣▶︎人材紹介▶︎人材アウトソーシング・BPO|営業とマーケ、事業推進をしてきました|サウナとゲーム、心理学が好きです!
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