面接の志望動機の作り方【5分でできる構成・例文付き】


面接に入ったけど、志望動機って何言えばいいの?
ぶっちゃけ、特にないというか、正解がわからないんだけど…
こんな悩みを解決できる記事を用意しました。
今回ご紹介する「志望動機の作り方」を読めば、各社の志望動機が5分くらいで作れるようになりますよ!

▷ 大手人材企業にて、社会人向けにキャリアコンサルを行っています(現役プロエージェント)
▷ 人材業界6年目、延べ3000名以上のキャリア相談を受付。
▷ 以前はブラックベンチャーで営業課長。月残業250時間で消耗経験もあり。
まずは志望動機の構成から説明するので、このまま読み進めてみてください!
面接の志望動機の作り方【5分でできる構成】
結論からお伝えすると、志望動機は以下が基本構成です。
① 事業(サービス)に対しての印象
② ポジション(仕事内容)への意欲
③ 理念への共感
各項目について、「考え方のコツ」「どの情報を見れば話のネタが手に入るのか」という2つを押さえることで、慣れれば5分くらいで1社の志望動機が作れるようになりますよ!
あなたの対策が捗るよう、実際に1社を例に挙げて、志望動機を作ってみます。
実践:志望動機の構成を考えてみよう

今回は、転職人気ランキング1位の「トヨタ自動車」を題材に、試しに作ってみました。(doda調べ・2020年)
トヨタ自動車のHP:https://global.toyota/jp/?padid=tjptop_menu_global.toyota
本来は、企業のHPと、求人票の2点を使います。
この記事を読みながら、あなたが面接対策したい企業のHPと求人情報を一緒に手元に用意しておくと、捗りますよ。
本記事の想定 企画・マーケ・セールス・事務などの職種で面接を受ける方を想定して一般的な構成を考えています。 エンジニアはまた考え方が違いますので、ご参考までに。
【余談です】 TOYOTAなど国内の完成車メーカー →ガソリン車を廃止してEV(電気自動車)を量産したい →日本国内のEV充電スタンドが全然増えない →コロナ不景気と相まってめっちゃ苦しそう。そもそも新車が売れないし。
EVについては、以前にコラムを投稿したので、興味があればご覧ください。
構成① 事業(サービス)に対しての印象
超シンプルに、以下の視点で求人情報やHPを見てください。
難しく考えず、ポジティブで率直な感想を持ちましょう。
「それは今の自分から見て、どんな印象?」
トヨタ自動車社でいえば、シンプルに「車を、作って売ってる」会社ですよね。
そこに対して、自分が思うことは何か。
筆者なら、「自動車は個人の生活の幅を広げてくれる」が率直な感想です。(生活の楽しみを増やしてくれる、でもいいかも)
浅くてもいいので、これだけ思っておけばまず合格点!
ここを押さえると、面接用に志望動機を”作ってこさえてきた感”がかなり消せます。
簡単なのですが、言えない方が多い印象ですね。
補足:HPには発見がたくさん
「ニュース」系のページを見ると、トヨタ自動車社がいろんなサービスを展開していることが分かります。
ニュースリリース:https://toyota.jp/news/?padid=not_tjptop_menu_news
・車のサブスクサービス(KINTO)
・ナビ地図ソフト
・スマートフォン
「なんでトヨタ自動車はこんなことしてるの?」と妄想すると、面接中に話が広がることがありますよ。
【余談:感想】 車って売り切り商品で、継続的な利益になりづらいことがデメリットとして分かりやすいですよね。 ただ、筆者としては「リコール発生時のリスクが大きい」とも見ています。 KINTOのようなサブスク、ナビ地図のようなSaaSなら「ユーザーに届けた後もサービス改善がしやすい」というメリットがあります。 つまり、リコールの発生リスクを抑えられる訳ですね。 ちなみにスマホはauの販売代理店っぽいので、トヨタ自動車が持つ店舗を経由してスマホを売ることができれば毎月何割かのお金がもらえる仕組みです。
構成② ポジション(仕事内容)への意欲
仕事内容は、HPではなく求人情報から考える内容になります。
試しにindeedで検索できた「プロジェクトマネジメント」の職種の求人を使います。(上段で紹介したKINTOですね)
求人情報の仕事内容欄は、以下のようなことを思いながら見て下さい。
「自分のこれまでの経験が活かせることは?」
「自分が未経験、新しい挑戦になることは?」
今回の求人情報には、丁寧に「求められる経験」も記載されていました。

求人情報を見ての感想例
・KINTOとは、愛車サブスクサービスらしい
・KINTOのプロジェクトマネジメントをするらしい
・管理・リードだけじゃなくて、そもそもの設計もできるかもしれないのか
・「求める人物像」的なやつは、まあ心構え次第かな
・プロマネ経験自体はあるぞ
∟でも自動車関連サービスは未経験だ
・プロジェクトマネージャー資格は、持っていないな…
∟でも、アジャイル開発の経験はあるぞ
・英語の実務経験は、メールでちょこちょこやり取りするくらいならあるな
こんなことを思うと、「即戦力として提供できる経験」「入社後も勉強が必要な業務」とで分けられますよね。
面接ではどちらも混ぜつつ、前向きな姿勢を伝えるのがいいですね。
構成③ 理念への共感
ここでは、HPの「理念っぽいページ」が載っている箇所を見ましょう。
■トップメッセージ(社長挨拶)
https://global.toyota/jp/company/messages-from-executives/
■経営理念
https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/
上記のページは、こんな視点を持ちながら見て下さい。
「そこに対して、私が共感する内容はあるか?」
「なぜ、私はその単語や文章に共感した?」
企業の主張の中で、生まれる疑問
例えば、筆者はトップメッセージから「”自動車産業”から脱却したい」という主張が感じ取れます。
読んでいると、「CASE」って何?という疑問が生まれました。

CASEとは、下記の頭文字をとった造語のようですね。
・Connected
・Autonomous/Automated
・Shared
・Electric
「MaaS」という言葉は知っていましたが、もう少し踏み込んで「車に関わる技術革新の総称っぽいな」と理解。
ここで超重要ですが、トヨタ自動車は「自動車の会社から、”モビリティカンパニー”にモデルチェンジしようとしているっぽい」と理解。(HPに載っています)

モビリティカンパニーになるために、必要なことは?
トヨタ自動車社的には、どうやら「車ではなく人が中心の未来」を目指すことを良しとしている様子。
なるほど、だからこのミッションになる訳か。

なるほど、だからこのビジョンになる訳か。

なるほど、だからこのバリューになる訳か。

どこに、どうして共感するのか
企業理念や社長メッセージは、その企業の想いです。人で言えば性格部分に当たります。
私たちは、価値観が似たもの同士で仲良くなることが多いですよね?
面接でも全く同じですので、「あなたの考え、いいですね。共感しました」というメッセージは絶対伝えた方がいいんです。
✔︎ 共感例
・私の今の会社では、環境問題は気にしないサービスをしていた。
・でも、お客様の生活を起点に、より良いサービスを展開したいとは常々思っていたし、そのための試行錯誤を個人的に繰り返していた。
・たから、モビリティーカンパニーの実現のため、”人づくり”に拘る姿勢は、とても共感できる。
「素敵だと思います」程度に留めたって、相手には伝わりません。
あなたのどんな経験があったから、共感しているのか。これを伝えましょう。
エピソードはなんでも良いので、経験からの共感を示すことが超重要です。
注意 「競合他社と比べて●●で…」みたいな高尚なことは、無理に言おうとしなくてOKです。 だって、「同業他社でもない限り、知らないでしょ?」と企業は分かっています。 ”知った風”で話して、企業から突っ込まれて自滅するリスクは避けるのが無難でしょう。
志望動機の構成まとめ
ここまでの説明をまとめます。
志望動機の構成は、以下3点となります。
「それは今の自分から見て、どんな印象?」
「自分のこれまでの経験が活かせることは?」
「自分が未経験、新しい挑戦になることは?」
「そこに対して、私が共感する内容はあるか?」
「なぜ、私はその単語や文章に共感した?」
事業に対しての印象は、HPのサービス説明欄などを見ましょう。
ポジションへの意欲は、求人情報の「仕事内容」などを見ましょう。
理念への共感は、HPの企業理念や社長メッセージ欄などを見ましょう。
構成を覚えて、率直な感想を持つだけでOK。
慣れると本当に5分程度で、一社の志望動機がイメージできます。

志望動機の構成は、なんとなく分かったぞ。
でも、実際の面接ではどう伝えればいいのかな…?
志望動機の話し方(例文)【面接用に組み立てるとこうなる】
面接を想定した伝え方について、これまでに仕入れた情報を使って筆者なりにまとめてみました。これが唯一解ではないため、参考程度にご覧ください。
■企業からの質問内容
「当社への志望動機を教えて下さい」
志望動機ですが、サービス内容について、今回のポジションへの意欲について、そして御社の理念への想いについての3点ございます。
まず、サービスの内容についてですが、
自動車は率直に私たちの生活の選択肢を増やしてくれるものだと感じています。
御社は自動車の販売だけではなくシェアリングサービスや周辺機器の提供、保険など「サービスを利用するお客様」を起点にサービス展開されている印象を持ちました。
次に、今回のポジションについてですが
KINTOのプロマネ募集とのことで、私のプロマネ経験そのものは活かせるシーンがあるのではと考えています。
モビリティサービス自体の経験はないのですが、アジャイル開発は実践経験があり、
サービスの設計にも関与してきたため、御社の中計を理解しながら未経験要素はキャッチアップし、戦力となりたい考えです。
最後に、御社の理念についてですが、率直に共感しています。
環境問題やコロナ禍で、自動車産業への世間ニーズが変わっている最中だとは思っていましたが
CASEという単語は今回の面接に備える中で正しく認識しました。
御社はモビリティーカンパニーを目指す上で”人づくり”を意識されていると見受けており、
私自身もこれは現職の経験から大変共感するところです。
今回転職をする上でも、各ステークホルダーを尊重しながらお客様起点でサービスを柔軟に変革する姿勢を持ちたいと考えておりましたので、この意味でも御社の一員として貢献したい思いが強くございます。このような理由から、今回強く御社への入社を志望しております。
簡単に、以上です。
発言時間は、1分前後が理想的です。(人が集中して聴ける限界時間)
相手が気になった箇所は追加で質問されますから、敢えて100%説明仕切ろうとしない姿勢でもOKです。
ただ、志望動機はどうしても冗長になりがちですので、はじめに「これを話すよ」と、前置きしておくのが便利ですね。
「今は、何を話されている」がわかれば、少し発言時間が長くなっても聞き取ってもらえます。

本でも、目次ページがあると分かりやすいもんね。
普段の会話でも、ちょっと意識してみようかな?
志望動機を作る際の注意点
今回は、志望動機の作り方について解説しました。
ご参考いただけていれば幸いです。
志望動機を作る際の注意ですが、原稿を作って丸暗記という方法は避けましょう。
”読んでる風”に聞こえてしまいますし、緊張してどうせ忘れます。
オススメは、箇条書き程度にまとめておいて、
鏡に向かって喋ったり、その様子を録音しておいて聞いてみることです。
「うわ、めっちゃ無愛想だ」
「棒読み感がやばいな」
「ここ、全然うまく言えてないな」など
いろいろ思うところが見つかりますので、その都度修正して再度録音…を繰り返すと、かなり上達しますよ♪
あなたの面接対策が捗りますよう、陰ながら応援しております!
参考情報
キャリアリティでは、転職に関する記事をロードマップにまとめています。
転職活動のステップごとにカテゴリーを分けているので、何かのお役に立てば嬉しいです。

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