オファー面談の流れと3つの確認事項【入社後の失敗を防ぐ最終準備】


「オファー面談」の案内が来たけど、これは採用になったってこと?何に注意して臨んだらいいんだろう…。
こんな疑問を解決できる記事を用意しました。
オファー面談を実施しない企業もあるため、不慣れな方も多いです。概要から準備まで解説していきますね。
記事の内容
- オファー面談とは?【概要と流れ】
- オファー面談前の確認事項3つ【入念に準備】
- オファー面談のよくある失敗と勘違いまとめ【トラブル事例集】
記事の信頼性
オファー面談に関するトラブルも見聞き&体験しているので、読者さんが同じ失敗をしないよう注意点をお伝えしていきます。
まずはオファー面談の流れから説明するので、このまま読み進めてみてください!
オファー面談とは
最終面接に合格した後の「最終打ち合わせ」みたいなものです。
入社意思の確認をされることもあれば、採用条件を伝えるだけに留まることもありますね。
オファー面談は内定前に行うもの
オファー面談を組まれた状況では、あなたは内定していません。
内定とは:入社承諾する旨を書面で返答して、労働契約が結ばれた状態
法的には「始期付解約権留保付労働契約」ですが、長ったらしいので特に覚えなくてOKです。しかし、「労働契約を結んだ瞬間が内定なんだ」と理解しておいてください。

企業や転職エージェントも、「内定」を誤って使うことがあります。
最終面接合格=内定ではないのでご注意ください!
あなたと企業が合意して入社を決定できるか。それを決めるための場が「オファー面談」です。ふんぞり返っても萎縮してもダメってことですね。
「条件面談」との違い
オファー面談を「条件面談」と呼ぶ企業もいますが、意味は大差ありません。
しかし、条件面談と呼ぶ場合は「雇用条件通知書」の読み合わせが行われることが多い印象です。

転職エージェントの経験則です。
オファー面談でも条件面談でも、やることは特に変わりません。
「入社前面談」との違い
入社前面談は内定後に行われる面談です。オファー面談との違いは、面談時点で内定しているか否か。
オファー面談を実施しない企業もいるため、内定から入社日まで時間が空く場合などは親切に面談が組まれることもあります。


入社前面談については意見もさまざまですが、いったん覚えておくべきは「オファー面談で油断するな」です。
次に、オファー面談の流れを説明していきますね。
オファー面談の流れはこんな感じ【7ステップ】
- 最終面接合格の通知が届く
- オファー面談の日程調整案内が届く
- 日程調整を行う
- 当日に企業担当者と話す(書類の受け渡し=対面での実施が多い)
- オファー面談で「入社するか否か」決めるための判断材料を集める
- 企業が指定した入社意思の回答期限までに、返答をする
- 選考辞退であればサヨナラ、入社承諾であれば内定
主にステップ4〜5で「当日をどう迎えればいいんだ!」と顧客からご相談いただくことが多いですね。
なのでオファー面談で「失敗しないための準備事項」を解説していきます。
オファー面談前の確認事項3つ【入念に準備】
オファー面談の当日までに、3つ準備するとよいです。
- 誰が担当するのか【企業の意図がだいたい分かる】
- 入社可否をいつまでに返事すればいいか【回答期限】
- 何を質問するか【聞くことリストを作っておく】
準備の①②はオファー面談の案内が来た瞬間に尋ねることです。準備③は面談日までに考えておくことですね。
確認先はエージェントが基本
転職エージェントを経由して合格した企業なら、迷わずエージェントに確認してください。
転職サイトなどを経由して合格した企業なら、「仲介役」がいないので企業へ直接確認OKです。
失礼にならない内容と確認方法を紹介していきますね。では、見ていきましょう。
①:誰が担当するのか【企業の意図がだいたい分かる】
第一に、こう尋ねましょう。

担当者によって、企業の意図がだいたい分かります。
「人事が対応する」と言われたら
選考要素はなく、雇用条件を説明することが多いです。
あなたが入社してくれるかどうか、ちょっと様子を窺う質問も来るかも。高圧的な態度を取られる可能性は限りなくゼロですね。
「所属の部長・役員が対応する」と言われたら
なにか企業に採用懸念が残っていて、選考要素があるかもしれません。
- 最終面接は合格になったので
- 社内で稟議を通すための役員会議を開いたら
- 経営計画が変わったり、役員のひとりや社長が予定と違うことを言い始めた
裏でこんな展開になっていることも。所属部署はめっちゃ採用したいのに、上役や会社方針の都合で現場が振り回されてるパターンですね。

ぶっちゃけ、毎月1〜2社くらいは見かけます。
配属予定の現場や人事、そして転職エージェントが揃って「なんやねん!!」となります。
特に「現場の部長と役員、人事も出てきます」という複数名の体制だったら要注意。あなたを絶対に採用したくて口説きに来るか、本当に採用していいか確かめる日になります。
一回の返信で情報回収できるよう、こちらも質問しておきましょう。

②:入社可否をいつまでに返事すればいいか【回答期限】
忘れがちですが、入社意思の回答期限も事前に尋ねておくと捗りますよ。

その企業に入社することをほぼ決めている人は、スルーでいいかも。
入社するか迷いがあったり、他に気になる企業の選考が控えていたりするなら、尋ねておくと捗ります。理由は次のとおり。
回答期限を区切られるリスク
例え話がわかりやすそうです。
オファー面談を受けるA社には、いずれ入社可否を回答する日が来ます。その期限が「1月31日まで」だとしましょう。
すると、こういうことが起こります。
- 1月31日までに回答しなければ、A社は「選考辞退」となってしまう。
- A社からのオファーを断ると、「合格するか分からない他社面接」が2月に待っている。
- A社へ入社承諾すると、他社の面接は「全てキャンセル=辞退」となる。面接を受けることもできない。
察しの良い方は、お気づきでしょうか。
厄介なのは「A社が第一希望の企業じゃない時」です。
スケジュール調整のテクニック
A社の回答期限をすぐ確認できれば、他のB社やC社の面接日程を前倒し調整できないかと相談できます。

転職エージェントを経由しているなら「他社のスケジュールを巻いてほしい」と言えば伝わりますよ。
B社やC社としても、A社にあなたを獲られたくありません。 面接日を早く決めてくれたり、決まっていた面接日を再調整してくれたりします。
B社やC社の日程が調整できなければ、逆にA社とのオファー面談日を後にズラす作戦がおすすめです。
いずれもオファー面談の日程が確定してからでは手遅れになります。複数の企業で選考が進んでいる方ほど「超最速で回答期限を確認」するのがおすすめですね。
回答期限がわかれば、考える時間が生まれる
できれば第一希望の企業へ入社したい。しかし、オファーが出ている企業を蹴ったら、他社の面接は不合格になるかもしれない。そうなったら「転職活動のやり直し」になる。
その時間と心の余裕はあるか、もう一度頑張ればいいと思えるか。
・・・どうでしょう、回答期限がわかっていれば、これまで以上に真剣に考えることが増えませんか?
自分と向き合う時間を作るために、しっかり準備を進めるのがおすすめです。
【悲報】回答期限は企業によって違う
- a社:面談から1週間後の正午までです!
- b社:今月末の17時までです!
- c社:回答期限?ないですね。じっくり選んでください!
転職エージェントの経験則として「a,b,c」の順に確率が高いです。
●●部署に相応のスキルある方を「1日でも早く」入れたい! 中途採用とは、こんな意図で求人を出すことがほとんどなためですね。
【要点】つまり、こうメールしておけばOK
これまでのおさらいです。オファー面談の案内が届いたら、即座にこちらを送り返すことをおすすめします。
- スケジュールを確認して、候補日程を●月●日までにお送りします。
- 差し当たって質問が3点ございます。(面談の担当者/選考要素の有無/回答期限)
- ※確認のコツは上述のとおり
これだけ送っておけば、安心ですね。
③:何を質問するか【聞くことリストを作っておく】
面談当日は企業から「なにかご不明点や不安点はありますか?」と聞かれることが多いです。
1〜2つほど質問を用意しておくのがおすすめですね。
「不明点ないです!大丈夫です!」と返してもいいですが、おすすめしません。理由はこちら。
- 面談終了後に質問する→「なんやねんコイツ、ちゃんと考えて面談来なかったんか」と思われる
- 辞退すると伝える→「いや、その懸念を聞くために面談組んだんやけど!」と思われる
考えナシで仕事できないヤツ認定されるか、理解不能人材と認定されるリスクがあります。あくまで可能性の話ですが、マイナス要素は削っておいた方があなたのためです。
とはいえ、質問の作り方が分からない方がいるかもしれません。洗練された質問を作るコツをお伝えしておきます。
【コツ】質問したいことを絞るための自問自答
- 【明日から働き始めることになった】という状況を想像して、気になることは?(勤務条件、職場の雰囲気、評価などなど)
- 【入社するか決める】ために、絶対に知りたいことは?(入社してから尋ねればいいことは除外していく)
- 失礼に当たらない尋ね方は?(あるのか、どんなか)
脳内ブレストですね。たくさん挙げてみて、まとめたり削ったりして、上手い聞き方を考える。
ここは転職エージェントがプロなので、相談推奨です。なんなら裏から情報取ってきてくれますよ。
転職エージェントをお使いでない場合は、私のスタエフにお便りをください。
無料&匿名で送れます。 私が収録放送やライブ配信で答えていますが、個人情報に言及する回答は控えるのでご容赦ください。
オファー面談のよくある失敗と勘違いまとめ【トラブル事例集】
オファー面談の失敗・トラブル事例、あるある勘違いを3つ紹介します。
- オファー面談で落ちることはある?【内定取り消し】
- オファー面談後に選考辞退はできる?
- オファー面談で年収交渉はできる?
企業に悪印象を与えないよう、一読して備えておきたいですね。
①オファー面談で落ちることはある?【内定取り消し】
オファー面談を実施した結果、最終面接合格が取り消しとなることがあります。
よく聞く事例はこんな感じ。
- 面談での態度が悪かった。面接の時と印象がかなり異なっていて、配属予定現場にいるメンバーとの相性を考えると「採用を控えた方がいい」方向で意見が逆転してしまった。
- 面談で大量の質問を細かくもらった。入社前で不安なこと、迷いなく入社を決めたい気持ちは分かる。しかし、入社を判断するために必要な情報か否かを取捨選択できない印象だった。つまり、通常業務でも優先順位や報連相がヘタな印象がついてしまい、キャリア採用枠としては不適格だった。
- 面談後に職務経歴の詐称や面接中のPR内容に偽りがあると発覚した。信用に足らない人物のためNG。

「選考要素はない」と言われていたオファー面談でも落選になる時があり、転職エージェント的にもびっくりします。
労働契約を結び、内定となる前は「最終面接合格なんて、口約束だ」と思っておいた方がいいです。心してかかりましょう。
経歴詐称の他にも、経営が一気に傾いた場合などは「内定取り消し」となることがあります。
②オファー面談後に選考辞退はできる?
面談を受けた後で「選考辞退」はできます。オファーを蹴る、というやつですね。

他社の選考も受けたいし、ぶっちゃけまだ悩みたいんだけど・・!
こんな相談をいただくことがありますが、安心してください。「それじゃ、●日までにお返事聞かせてくださいね〜」で解散することが多いです。
新卒採用ならオファー面談中のサインを求められることも多いので、その印象をお持ちの方がいるのも分かります。
中途採用でもたまに「それで、ウチ来てくれます?」と面談中に迫られることがあります。そんな時は以下のように返答しておくのが良いですね。

私は是非ともと思っております!
一度持ち帰って「家族に報告」or「他社様からのお話と精査」して、改めて早めにお返事させてください!
卒なく、嘘はつかず、気さくに華麗に躱しましょう!(転職エージェントには本音でぶっちゃけてください)
③オファー面談で年収交渉はできる?
オファー面談中の年収交渉は、基本ムリです。やるなら面接中や面談前ですね。
面談日には理論年収を決めて書面で提示されることが多いです。「ほぼ100%決まっちゃってる年収」を出されるワケなので、決定事項を後出しでひっくり返すのはマナー違反・・という感じ。
企業としても「なんで面接中に言ってた希望年収と、今の話が変わってんねん」と眉をひそめます。
家庭事情が変わったり試算を誤っていたなら、気づいた瞬間に相談しましょう。
面接中に希望より低い年収を提示して「とりあえず合格を狙う」作戦でいくなら、潔く入社後の頑張りで年収UPを目指すのがセオリーです。(変に欲をかいたら、マジ失敗します)
オファー面談を制して、入社後のギャップをなくそう
今回はオファー面談の要点を解説しました。少しでも参考になれば幸いです。
ここまでたどり着いた読者さんへ、補足としてコツをひとつ伝授します。
打診:職場の見学、現場社員との面談
オファー面談が組まれる前に、職場見学や社員さんとの面談ができるか相談してみるのはアリです。
職場見学は個人情報保護の都合でムリな企業も多いですが、社員面談ならオファー面談と同日に組んでくれることもありますよ。

もちろん詭弁を使われるかもしれませんが、現場で働く社員さんの生の声を聞けるワケです。
入社するか決めるための良い判断材料になりませんか?
転職は人生の大きなターニングポイントになります。私は担当している転職希望者さんがより納得できるよう、必要とあらば企業へ打診しています。
「それはいい方法だ!」と思えるようでしたら、ぜひ使ってみてください。
入社するか考えがまとまらない時は
冷静に自己分析をやり直すのも良いかと思います。無料サイトがいくつかあるので、こちらの記事をご参考ください。
»参考:【自己分析のやり方】簡単無料の診断ツール3選&使いこなしノウハウ
内定後の辞退は、結んだ契約を破棄する行為なので出来ません。入社する覚悟を決められるか、判断するための場がオファー面談です。
面接合格した企業があなたの将来に相応しいのか、オファー面談でしっかり確かめていきましょう!
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キャリアリティでは、転職に関する記事をロードマップにまとめています。
転職活動のステップごとにカテゴリーを分けているので、何かのお役に立てば嬉しいです。

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