【52種類を網羅】プルチックの感情の輪を徹底解説

こんにちは、仁井です。普段は転職エージェントとして働いています。
働いていてモヤモヤするとき、気持ちをうまく言語化できないと余計にストレスを感じませんか?
気持ちの整理には「感情の種類」を知ることが役立つので、心理学のお話しができればと思います。

読者さんへの前書きメッセージ
感情モデルを和訳した文献が少なく、和訳された図表も「日本語の表現」が引っかかるなあと思いました。なので自分で作ってみた次第です。
- 感情の種類と定義、関係性
- 理想の感情になれるヒント
- 最悪の感情を避けるヒント
記事を読んで、こんなことを知るきっかけになればうれしいです。それでは、さっそく見ていきましょう。
プルチックの感情の輪
心理学者のロバート・プルチック氏は、1980年に「Wheel of Emotions」というモデルを提示しました。こちらが英語原文の図解です。
日本では「感情の輪」として知られています。

「感情の輪」モデルの要点
これから52種類の感情について説明します。先に「どんな話が待っているのか」を知っておいた方がわかりやすいと思うので、要約しておきますね。
- 8つの基本感情がある
- 基本感情は16の別感情に強弱派生する
- 基本感情を組み合わせて、24の応用感情が生まれる
- 補足:相反する基本感情が同時に起こる4つの応用感情
8+16+24+4=52種類の感情が説明できます。
円環でわかりやすい
感情モデルは他の心理学者も提示していますが、「感情の輪」は円環モデルで図解されていて分かりやすいです。
たとえば「隣合わせの感情を組み合わせると‥」などの定義で、応用感情が説明できます。テキストで長文を記憶するより、目で見て分かりやすい方が助かりますよね。
まずは「基本感情」を解説していきますね。

8つの基本感情
人間には8つの基本感情が備わっています。
- 喜び(joy)
- 信頼(trust)
- 恐れ(fear)
- 驚き(surprise)
- 悲しみ(sadness)
- 嫌悪(disgust)
- 怒り(anger)
- 期待(anticipation)
基本感情のポジティブ・ネガティブ分類
8つの基本感情をポジネガで分類すると、こうなります。
- ポジティブ:喜び、信頼
- ネガティブ:悲しみ、嫌悪、恐れ、怒り
- 中立:驚き、期待(予測)
基本感情はネガティブが大半に見えますが、悪いことではありません。危機回避のために備わっている、私たちの生存本能ですね。
「中立」とは、ポジティブともネガティブとも決まっていない感情です。…と書いていて、自分でも解釈が難しい表現だなあと思ったので、音声で補足しました。
基本感情は強弱で派生する
基本感情にも強弱があり、強度によって別の感情へ派生します。8つの基本感情を序列で表すと、こんな感じ。
- 恍惚(ecstasy)>喜び>平穏(serenity)
- 敬愛(admiration)>信頼>容認(acceptance)
- 恐怖(terror)>恐れ>不安(apprehension)
- 驚嘆(amazement)>驚き>放心(distraction)
- 悲嘆(grief)>悲しみ>哀愁(pensiveness)
- 憎悪(loathing)>嫌悪>退屈(boredom)
- 激怒(rage)>怒り>苛立ち(annoyance)
- 警戒(vigilance)>期待>関心(interest)
英単語は明記されていますが、和訳は定義されていません。
「苛立ち<怒り<激怒」などは和訳でもわかりやすいですね。
直訳しづらい単語もいくつかあったので、次に解説を加えます。

一覧表も作ってみたので、ご参考までに。

8つの基本感情を詳細解説
人間の基本感情は「喜び、信頼、恐れ、驚き、悲しみ、嫌悪、怒り、期待」の8つです。
それぞれの基本感情について、解説していきます。円環図で理解オッケーな方は、次の応用感情編まで読み飛ばしてくださいね。
以下の解説では応用感情の派生も載せていますが、詳細は次の章で触れます。
喜び(joy)
喜びとは、自分や他者の幸せや成功の経験によって得られる感情です。経験する前の予測や、経験した後の回顧によっても喜びを感じます。
「期待に胸を膨らませる」とか「幸せの余韻に浸る」などの言葉が、まさにという感じですね。喜びの対比感情は「悲しみ」で、「平穏<喜び<恍惚」の順に発展していきます。
「平穏」と「退屈」は違う‥というのが、個人的にしっくりくる表現でした。

音声での補足はこちら。
信頼(trust)
信頼とは、呼んで字のごとく「信じて頼りにする気持ち」です。「頼りになると信じること」と解釈できることもミソですね。
信頼の対比感情は「嫌悪」で、「容認<信頼<敬愛」の順に発展していきます。
acceptanceは「受付、受理」が常用の和訳です。
感情の輪モデルでは信頼の前段階にて「認める=容認」としています。

音声での補足はこちら。
恐れ(fear)
恐れとは、こわがる気持ちや畏れ敬い、かしこまる気持ちです。物事が起こる前の予測や、事後の感情も「恐れ」から派生しています。
「恐るべからず」という言葉がありますよね。思考停止で恐れを捨てるより、恐れる気持ちの詳細を理解すれば捗るような気が。
恐れの対比感情は「怒り」で、「不安<恐れ<恐怖」の順に発展していきます。
「こわいな」「失敗しそうだな」「やっちまった」的な気持ちが、恐れみたいですね。怒りが対比感情なので、恐れは防御姿勢や戦意喪失感があります。

音声での補足はこちら。
驚き(surprise)
驚きとは、予期せぬ事態になった際の心的衝動です。予想した出来事であれば、ビックリはしないワケですね。
驚きの対比感情は「期待(予測)」で、「放心<驚き<驚嘆」の順に発展していきます。
distractionは難しい英単語で、TOEIC860以上の取得レベルです。
主には「気が散る、気晴らし、動揺」と訳されますが、感情の輪モデルでは驚きの前段階にて「放心」としています。
考えがまとまっていない状態≒期待・予測の反対です。

音声での補足はこちら。
悲しみ(sadness)
悲しみとは、自分で修復が難しい事態によって引き起こされる情動です。諦めや無力感を伴う切なさや、泣きたくなるような心の痛みを指します。
「楽しみ極まれば必ず哀しみ生ず」ということわざがあります。歓楽に浸ってると突然虚しくなる‥的なやつですね。「悲痛な叫び」という表現もドラマでよく耳にしますが、現実には起きてほしくないものです。
悲しみの対比感情は「喜び」で、「哀愁<悲しみ<悲嘆」の順に発展していきます。
pensivenessは「物思い」が代表的な和訳で、何かについて深く病的に考え込む様を意味しています。
ネガティブや物憂げといったニュアンスから、悲しみの前段階にて「哀愁」としています。

嫌悪(disgust)
嫌悪とは、不快な刺激との接触によって生じる情動です。不快感を覚えて、退避傾向も生じます。
「嫌悪感を抱く」とは、自分から対象を遠ざけたい気持ちの現れですね。「第一印象は半年ほど持続する」という心理学の研究があるので、出会って1分で嫌われない努力をしたいところです。
嫌悪の対比感情は「信頼」で、「退屈<嫌悪<憎悪」の順に発展していきます。
boredomは「退屈・倦怠」を意味します。他者への退屈さや、倦怠感のある状態・状況が悪化すると「嫌悪」になるようですね。
「憎悪」ともなると、相手を排除する言動を伴います。

怒り(anger)
怒りとは、目標に到達するための行動が妨害された時に生じる、攻撃的な情動です。「怒りをあらわにする」とは、目標到達のために対象を攻撃して退かそうとする動きといえます。
相手をコントロールするための手段として、怒りを用いるのでは‥という研究もありますね。(マズローなど)
怒りの対比感情は「恐れ」で、「苛立ち<怒り<激怒」の順に発展していきます。
嘲笑や浮気を受けて、悔しさをバネに成功する人は「怒り」のパワーをうまく使っているのでしょうね。
”うまくいかないから怒る”ワケですので、目標のない人や期待していない状況では、怒りが起こりづらかったりします。
怒りは決して悪いばかりの感情ではないため、うまく使っていきたいですね。

期待(anticipation)
期待とは、過去の経験や現在の状況に基づいて、未来を予期して対象や現象を待ち構える態度です。つまり、経験を重ねるほど期待(予測)の精度は上がっていくワケですね。
期待の対比感情は「驚き」で、「関心<期待<警戒」の順に発展していきます。
vigilanceは難しい英単語で、TOEIC900以上の取得レベルです。
主には「警戒・用心」と訳され、未来を予測するためのアンテナを張っている状態ですね。
「覚醒」という意味もあり、良し悪しいずれでも予測の精度をMAXにしていると言えます。

基本感情の補足
「驚き」と「期待」は、ポジティブ・ネガティブの中立状態です。
予測が立っていなければ「驚き」であり、予測していれば何かしらの「期待(予期)」となります。
応用感情(ダイアド)の基礎知識
基本感情を組み合わせると、24の応用感情が生まれます。

専門用語「ダイアド」について
dyadは「二個一組、対関係」を意味する英単語です。
プルチック氏は感情の輪モデルを提示する際、2つの感情で構成される感情を「ダイアド」と定義しました。和訳では「ダイアド=応用感情」と覚えればOKです。
円環モデルで説明しやすい応用感情
ダイアド(応用感情)には1次〜3次までの段階があります。
≫プルチック氏の定義
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・Primary dyad = one petal apart
・Secondary dyad = two petals apart
・Tertiary dyad = three petals apart
・Opposite emotions = four petals apart
和訳するとこんな感じです。
- 一次ダイアド= 1枚の花びらが離れている
- 二次ダイアド= 2枚の花びらが離れている
- 三次ダイアド= 3枚の花びらが離れている
- 反対の感情= 4枚の花びらが離れている
円環=花弁のイメージ
「感情の輪」はカラフルな花弁を描いており、位置関係で新たな感情を派生させています。
私は感動的に分かりやすいと思ったのですが、いかがでしょうか。
「四次ダイアド」とは言わないことだけが謎です。

応用感情の種類
「一次〜三次ダイアド」までは、それぞれ8つの感情が定義されています。(計24種類)
「反対の感情」は4種類で、8つの基本感情の対関係ですね。(後述します)
一次ダイアドは和訳で「一次感情」とも呼ばれます。二次ダイアドは「二次感情」、三次ダイアドは「三次感情」ですね。
基本感情8つを一次感情と誤って呼んでいるメディアがあったので、間違いやすいところかと思います。

余談:「トライアド」もある
3つの感情の組み合わせから成る「トライアド」も定義されています。(triads)
トライアドは32種類あり、この記事で解説する52種類と合わせれば84種類の感情が説明できるんです。この記事では割愛しますが、興味のある方は調べてみてくださいね。
それでは、応用感情について詳しく解説していきます。
応用感情の詳細解説【合わせて28種類】
ここからは、4パタンの応用感情に触れていきます。
- 一次ダイアド(8つ)
- 二次ダイアド(8つ)
- 三次ダイアド(8つ)
- 反対の感情(4つ)
この順番で解説していきますね。
応用感情①:一次ダイアドは隣同士で混ざり合う

一次ダイアドは隣り合わせの基本感情が混ざることで派生します。一次ダイアド=一次感情と覚えていただいてOKです。
それぞれについて、解説していきますね。
「愛」=喜び+信頼
喜びと信頼が混ざると「愛(Love)」になります。
愛とはなんぞや‥とは、老若男女が悩むテーマのひとつですね。喜びと信頼、どちらか一方が欠けたなら、そこに愛はないのかもしれません。
「服従」=信頼+恐れ
信頼と恐れが混ざると「服従(submission)」になります。
「仕事はデキるけど、怖い上司」などイメージしやすいでしょうか。私たちがリーダーなら、後輩を萎縮させすぎるのも考えものですよね。
「畏怖」=恐れ+驚き
恐れと驚きが混ざると「畏怖(awe)」になります。
元いじめられっ子が覚醒して成功するシーン、マンガで描かれたりしますよね。いじめっ子たちの心境はおそらく「恐れ+驚き」で畏怖なのでしょう。
「拒絶」=驚き+悲しみ
驚きと悲しみが混ざると「拒絶(disapproval)」になります。
たとえば浮気は予想だにしなかった悲しい出来事ですね。拒絶は自分の心を平穏に保つための機能ではないでしょうか。
「後悔」=悲しみ+嫌悪
悲しみと嫌悪が混ざると「後悔(remorse)」になります。
この場合は「自己嫌悪」がイメージしやすいですね。自他に損害を与えるような行動をしたと気づくと、後悔するワケです。
「軽蔑」=嫌悪+怒り
嫌悪と怒りが混ざると「軽蔑(contempt)」になります。
後悔とは異なり、怒りを含む嫌悪は、蔑む気持ちに変貌するようです。怒りが少なければ「無視」などになるでしょうね。
「攻撃性」=怒り+期待
怒りと期待が混ざると「攻撃性(aggressiveness)」になります。
期待は「予想」と解釈いただくと分かりやすいかもしれません。後輩が定時を迎えても出社しなかったら、周囲にかける迷惑を考えて叱るかどうか考えますよね。
「楽観」=期待+喜び
期待と喜びが混ざると「楽観(aptimism)」になります。
ラテン語では『最善を望むこと』を意味する言葉です。正しい努力をしていれば、難局でも前向きに考えられそうですね。
以上、1次ダイアドの解説でした。次は2次ダイアドです!

応用感情②:二次ダイアドは1つおきに混ざり合う
二次ダイアドは基本感情が1つおきに混ざることで派生します。二次ダイアド=二次感情と覚えていただいてOKです。
それぞれについて、解説していきますね。
「罪悪感」=喜び+恐れ
喜びと恐れが混ざると「罪悪感(guilt)」になります。
「ダイエット中なのに暴食した」と想像してみてください。目先の喜びと将来の恐れが混ざるので、おそらく罪悪感が生まれます。
「好奇心」=信頼+驚き
信頼と驚きが混ざると「好奇心(curiosity)」になります。
ポジティブに興味を持つことだと捉えると、分かりやすいかもです。
意中の相手や、信頼する上司を思い浮かべてください。その人に「実はお茶目な一面があった」と分かったら、好奇心を持って質問しませんか?
「絶望」=恐れ+悲しみ
恐れと悲しみが混ざると「絶望(despair)」になります。
良い関係が崩れたり、大切にしていたものがなくなった時。現在はひどく悲しく、将来はとても不安なので、とても暗い気持ちになるのだと分かります。
「不信感」=驚き+嫌悪
驚きと嫌悪が混ざると「不信感(unbelief)」になります。
陰口を言われていたことに気づくと、嫌な気持ちになりますよね。予想外の悪い出来事に見舞われると、不信感を抱くのですね。
「嫉妬」=悲しみ+怒り
悲しみと怒りが混ざると「嫉妬(envy)」になります。
- 妬み:羨ましくて、憎らしい(怒り)
- 嫉み:羨ましくて、悔しい(悲しい)
仕事のできない同期が贔屓されたり、パートナーが浮気したりという状況が分かりやすいでしょうか。悲しみ+怒りなので、「嫉み」から「妬み」に変貌を遂げることが分かります。
「皮肉」=嫌悪+期待
嫌悪と期待が混ざると「皮肉(cynicism)」になります。シニシズムは冷笑主義とも呼ばれます。
皮肉と聞くと嘲笑うイメージがあるものの、実は”嫌悪しつつも期待しているようだ”と考えると面白いですね。期待の要素が抜けると、皮肉すら言われなくなるワケです。
「自尊心」=怒り+喜び
怒りと喜びが混ざると「自尊心(pride)」になります。
prideは「誇り、自慢、傲慢」とも訳されますが、怒りが混ざっているので心中穏やかではなさそうです。自分を尊ぶ姿勢は、裏を返せば「自分にまだ満足していないぞ」という闘争心の現れでしょうか。
「希望」=期待+信頼
期待と信頼が混ざると「希望(hope)」になります。
信じて頼れる未来を想像する事こそ、希望なのですね。「希望的観測」である内は、きっと信頼には足らないのでしょう。
以上、2次ダイアドの解説でした。次は3次ダイアドです!もうひと踏ん張り!

応用感情③:三次ダイアドは2つおきに混ざり合う
三次ダイアドは基本感情が2つおきに混ざることで派生します。三次ダイアド=三次感情と覚えていただいてOKです。基本感情の花弁が離れているので、より複雑な感情になっていきます‥!
それぞれについて、解説していきますね。
「歓喜」=喜び+驚き
喜びと驚きが混ざると「歓喜(delight)」になります。
基本感情の「期待」は予測している状態で、「驚き」は予測できていない状態です。予想だにしないハッピーな出来事には、よりいっそうの喜びを感じるようですね。
「感傷的」=信頼+悲しみ
信頼と悲しみが混ざると「感傷的(sentimentality)」になります。
sentimentalityには「涙もろい」という和訳もあります。信頼している人の言動には、一喜一憂しますよね。感じやすい様が、まさに「感傷的」といえます。
「羞恥心」=恐れ+嫌悪
恐れと嫌悪が混ざると「羞恥心(shame)」になります。
自分の過ちや思い違いに気づくと、恥ずかしさや屈辱感を抱きます。他人の言動に対しては「共感性羞恥」とも呼ばれますね。
「憤慨」=驚き+怒り
驚きと怒りが混ざると「憤慨(outrage)」になります。
隣を歩いている家族や友だちが、いきなり通行人に殴られたとしましょう。予想外の出来事であり、許せない気持ちが芽生えることと思います。
「悲観的」=悲しみ+期待
悲しみと期待が混ざると「悲観的(pessimism)」になります。
喜び+期待=楽観(aptimism)の反対で、「悲観論、悲観主義」とも訳されます。悲観的になっていると気づいたら、「悲しみ」の原因を特定すると捗りそうですね。
「不健康」=嫌悪+喜び
嫌悪と喜びが混ざると「不健康(morbidness)」になります。
morbidnessは「罹患率、陰鬱」とも訳せますが、感情の輪では解釈が変わります。
浮気したり、信頼してくれる相手を口車に乗せたり‥という状況を想像してください。誠実さが残っていれば「自分は得しているが、相手に悪いことをしている」と感じます。
「罪悪感」の例で、ダイエット中の暴食を挙げました。食事中に自己嫌悪していれば心は「不健康」であり、また太るんだろうなあと案じていれば「罪悪感」が生まれますね。
「支配」=怒り+信頼
怒りと信頼が混ざると「支配(dominance)」になります。
純粋に相手を信頼しているようで、自分本位に動かそうとしているだけの人もいます。サイコパス傾向のある方は、無自覚に相手を支配しがちかもですね。
「懸念」=期待+恐れ
期待と恐れが混ざると「懸念(anxiety)」になります。
不安な未来が想像できてしまった時は、懸念を抱きますよね。『懸念事項は〜‥』が口グセの人が会議にいたら、「恐れ」を細かく聞いてあげてから回答すると捗ります。
以上、3次ダイアドの解説でした。次は反対感情です!次で最後!

応用感情④:反対の感情は3つおきに混ざり合う
8つの基本感情には相互関係があります。
- 喜び ⇄ 悲しみ
- 信頼 ⇄ 嫌悪
- 恐れ ⇄ 怒り
- 驚き ⇄ 期待
対立する感情は、同時に抱きづらいとされています。
例) 喜んでいるときに、悲しい気持ちは起こりづらい。
しかし、複雑な状況では対立感情が混ざり合うことがあります。

和訳するとこんな感じ

「ほろ苦さ」=喜び+悲しみ
喜びと悲しみが混ざると「ほろ苦さ(Bittersweetness)」になります。
苦しくもあり、楽しくもある。『ほろ苦い思い出』は私たちの手足や思考を止めるので、浸りたくなければ忙しくすることです。
「葛藤」=信頼+嫌悪
信頼と嫌悪が混ざると「葛藤(Ambivalence)」になります。
相反する感情が交錯する時は自身の気持ちに整理がついておらず、曖昧さに葛藤しています。 ダメ男と別れられないとか、お金をせびってくる家族や友人がいる状況などは、信頼と嫌悪の狭間で葛藤するでしょう。
「冷淡」=恐れ+怒り
恐れと怒りが混ざると「凍結(Frozenness)」になります。
Frozennessは直訳すると「凍結」ですが、対人関係では「冷淡」と訳すのが適当でしょう。本来、怒りは攻撃反応で、恐れは防御反応です。
攻撃と防御、どちらの態勢も取りたい時は、相手に近づかないよう冷淡な態度を取ります。
ナンパ師のコミュ力が高い理由は、ジョークで一気に距離を詰めることが一因な気がしますね。(防御態勢を崩して、冷淡を解除させている)
「混乱」=驚き+期待
驚きと期待が混ざると「混乱(Confusion)」になります。
- 「驚き」は予測できない状態で、外発的な感情
- 「期待」は予測している状態で、内発的な感情
「外発」は他者からの言動を受けての気持ち、「内発」はひとりでに湧き上がる気持ちです。相手の言動を受けて驚き、良し悪しが判断つかない時に混乱状態に陥ります。
思わせぶりな態度を取られたり、いつも陽気な同僚が素っ気なかったりすると、混乱しますよね。
以上、反対感情の解説でした!これにて、52種類の感情を網羅しました。お疲れさまでした!

「感情の輪」モデルをキャリアと社会生活に取り入れよう
今回はプルチック氏が提示した「感情の輪」モデルを元に、52種類の感情を解説しました。
感情がどう定義されているかを知るだけで、自分の気持ちはコントロールしやすくなりますよね。そして、相手の気持ちを考える際にも、「感情の輪」は参考になるはずです。
仕事やプライベートでうまく活用して、より充実した社会生活を送れますよう願っております。
プルチックの「感情の輪」解説図まとめ
この記事で紹介した図解を、振り返りとして載せておきます。SNSでのシェア、情報サイトでの引用はウェルカムです。
感情の輪(原文)

感情の輪(和訳)

基本感情の強弱派生

応用感情:1次〜3次ダイアド(原文)

応用感情:1次〜3次ダイアド(和訳)

応用感情:反対の感情(原文)

応用感情:反対の感情(和訳)

参考情報
転職に関する記事は、ロードマップとしてまとめています。
応募や書類、面接など転職活動のステップごとにカテゴリーを分けています。
読者さんにとって「後悔のない社会人生活」が送れますよう、陰ながら祈っております。